近年、YouTubeやInstagram、Xなどで「不動産投資はこうすれば儲かる」「不動産は儲からない!損切りしてでも売れ!」といった極端な情報発信を行う“不動産系インフルエンサー”が急増しています。
彼らの情報をきっかけに不動産投資を始める人もいれば、逆に不安に陥れられ物件を売却する人も少なくありません。
しかし、その裏側には”巧妙に設計された“儲けのカラクリ”が存在します。
本記事では、不動産系インフルエンサーの代表例と、そのビジネスモデルを徹底的に分解します。
不動産系インフルエンサーとは
YouTubeやX(旧Twitter)、Instagramなどで不動産投資に関する情報を発信し、フォロワーを集める人物たちを指します。
ただし、人気インフルエンサーたちが本当に“中立的”に発信しているとは限りません。
発信の目的が「物件を売りつける」「物件を買い叩く」「高額スクールに誘導する」などであるケースがほとんどですので、特に「情報の偏り」について注意深く判断する必要があります。
インフルエンサーの儲けのカラクリは?
不動産系インフルエンサーのタイプは、大きく分けて以下の3つに分類できます。
- 投資推奨型
- 売却扇動型
- 情報商材型
それぞれの仕組みを見ていきましょう。
投資推奨型
不動産会社が自社の営業目的でYouTubeチャンネルを運営しているケースと、XなどのSNSで一般投資家を装った不動産業者が活動しているケースです。
顔出し、社名だし営業マンの場合
営業マンが社名・顔出しをしている場合は、『営業マンのキャラが見える』というポジティブな面がある一方、自社物件の販売が目的であるため『情報が自社都合に偏りやすく、ポジショントークが多い』点に注意が必要です。
不動産会社は、すべての会社が同じ物件を扱えるわけではなく、会社によって仕入れが強い会社、弱い会社があります。情報発信をしている会社が仕入れが強い会社であれば良いですが、そうでない場合は、トークもどこまで信用していいか分からなくなります。
結局は提案物件の質で判断する必要がありますが、傾向として、仕入れが強い会社ほど投資家からの問い合わせが多く、あえて集客のための情報発信はしていない印象です。
人柄で判断せず、客観的な事実で投資判断を行いましょう。
XなどのSNSで一般投資家を装った不動産業者が活動しているケース
一方、不動産業者が一般投資家を装っているケースでは、特定の業者(自社)をT-UPする傾向があります。ただTーUPする際に会社名を明示した上で勧めるのではなく、こういう会社がよくて、こういう会社はダメ、といった言い方を繰り返して、選択肢を狭めていくという手法を取ります。
しかしその実、『夢のような基準』で他社を蹴落とし、あらゆるカラクリを仕込んで不動産初心者に自社物件を売りつける、というものです。
仕入れが強く、投資家を勝たせている業者ほど情報発信をしない
どちらのインフルエンサーのケースにも言えることですが、労力をかけて情報発信するのには目的があります。それはずばり『集客』です。
しかし、物件の仕入れが強く、顧客を勝たせている不動産会社は、リピートと紹介で回るため、こうした情報発信は不要。そういう業界の常識を知っていれば、上記のようなチャネルに振り回されることもなくなります。

一例として、とある一般投資家を装ったXアカウントは、
- 初月からプラス収支
- 激安の管理費(一定期間無料など)
というかなり魅力的(現実離れ)な会社を推奨している場合もあります。
どうしても不動産に詳しくないとそういう特別な会社が世の中に存在すると信じたくなるかもしれませんが、実際は存在しません。色々なカラクリを仕込めば実現可能ですが、そうした物件は購入後に時限爆弾を抱えることになりますよ。
売却扇動型
ここ数年で急増しているタイプです。
手法としては「不動産バブル崩壊」「金利上昇で不動産価格は下がる」といったネガティブな情報を発信し、不安を煽ることで保有物件の買取や仲介の獲得を狙う仕組みです。
ターゲットは主に『不動産投資を始めたばかりの会社員や医師・研修医』といった、『投資を始めてまもない人』です。
インフルエンサーは「今のうちに売らないと損する」と誘導し、
実際の売却仲介を通じて相場より安く買い叩く → 不動産会社へ再販して利益を得ます。
1件あたり数百万円単位の利益が出るケースも珍しくありません。
不動産は、仲介手数料や金利の支払い、諸費用の支払いが必要であるため、購入後間もないうちに売却すると赤字になるの必然です。不動産は株と違ってすぐ売らないと暴落する、ようなことはありません。株などと違い価格が安定しているからこそ、腰を据えて取り組むべき投資です。
コミュニティ販売型
最後に、セミナーやオンラインサロンなどを通じたコミュニティ型ビジネスモデルです。
こちらは不動産会社が運営している場合もあれば、「著名大家」や「自称成功者」が主宰しているケースもあります。
コミュニティのタイプは大きく3種類に分かれます。
- ボロ戸建再生型
- DIYやリフォームによって安い戸建(0~100万円ほど)を再生して貸し出す手法。ただし、これは投資というより「肉体労働型の副業」に近い。時間・労力が膨大で、再現性は低い
- 地方一棟アパート型
- 主宰大家の物件選定の基準や、ローンの通し方などを参加者に共有するもの。入会者が増えると、主宰者の保有物件を“出口”として紹介されるケースもあるため注意が必要。
- 購入物件コンサル型
- 売却益の出る物件の見極め方や探し方をコンサルティングしたり、さまざまなツールなどを提供するタイプ。実際には基準が厳しすぎて一向に物件は見つからない場合も。相続案件など魅力的なキーワードが多い。
いずれも、入会金は数十万円〜数百万円と高額。
「期間限定割引」「分割払いOK」などのセールストークを多用するコミュニティは、避けた方が良いでしょう。
投資コミュニティについては、こちらの記事も参照ください。

社名は言いませんが、到底見つからないような”夢のような物件”を見つけるサポートをするという名目で150万円近い入会金を取る会社もありますね・・・
まとめ
不動産系インフルエンサーは、見た目には「良心的な情報発信者」でも、ほぼ全員が“営業目的”を持っていると考えて良いでしょう。
それぞれの情報発信者の意図を考え、彼らにとって都合の良い情報に踊らされていないか、提供された情報が客観的にみておかしくないか、常に注意を払う必要があるでしょう。SNS収益だけでは残念ながら不動産投資はニッチなため稼ぐことはできません。
- 投資推奨型 → 物件販売で利益
- 売却扇動型 → 買取・再販で利益
- コミュニティ販売型 → 会費・セミナーで利益
いずれのモデルも、情報の中立性とは無縁です。
投資は自ら実践あるのみ!
管理人おおやは、一棟アパートやRCマンションをメインに投資。
- ・年間家賃収入:約4000万円(手取り)
- ・金融資産:2億円(有価証券・現金含む)
- ・一棟マンション:5棟
- ・一棟アパート:3棟
- ・区分マンション:20室
サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。
不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。


一棟アパートやRCマンションをメインに投資。
サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。
不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。
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