高利回り=ハイリスク物件!一棟アパートの適正な利回りとは?

こんにちは、しんさんです。

みなさんは投資用の物件選びでどう言った点に注目していますか?

物件価格、利回り、立地、築年数、構造の種類など多岐にわたることでしょう。その中でも本記事では利回りについて着目していきます。

読者の方は、「利回りが高い=お得物件」と思っていませんか?
利回りは「年間家賃収入 ÷ 物件価格」で算出されます。一見シンプルで、数字が大きいほど魅力的に見えますよね。

しかし実際には、利回りの高さは「リスクの高さ」の裏返しです。数字の魔力に惑わされると、将来大きな損を抱える可能性があります。

しんさん@管理人

一棟アパートやRCマンションをメインに投資。

  • 年間家賃収入:約4000万円(手取り)
  • 金融資産:2億円(有価証券・現金含む)
  • 一棟マンション:5棟
  • 一棟アパート:3棟
  • 区分マンション:20室

サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。

不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。
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利回りが高くなるカラクリ

利回りが高い理由は、2つしかありません。

  1. 家賃が同じ物件価格帯のものに比べて高い
  2. 物件価格が同じ家賃のものに比べて安い

現実には、①はほぼ起きません。近隣に似た条件の物件が並んでいれば、1軒だけ突出して家賃が高いなんてことはありません。
したがって、利回りが高い物件の正体は「安く売られている物件」ということです。

なぜ物件価格が安いのか?

物件が安いのには必ず理由があります。

  • 立地が悪い:駅から遠い、バス便必須などで入居者ニーズが限られる。
  • 建物の老朽化:外壁・配管・屋根など大規模修繕が目前。
  • 入居ニーズの偏り:学生専用・特定企業の需要(近くに工場がある等)・外国人労働者専用など、需給が偏っている。
  • 借地権付き物件:銀行融資が付きづらく、売却時に買い手が限られる。
  • その他の瑕疵:事故物件、近隣トラブル、再建築不可など。

つまり「利回りが高い物件」は、裏を返せば「誰も欲しがらないから安い」というケースが大半です。

利回りはリスク指標

投資には「リスクとリターンは比例する」という原則があります。

例えば東京の湾岸エリアのタワーマンションの利回りは1~2%。湾岸エリアのタワマンは入居需要が非常に強いことから、物件価格も右肩上がりです。とくに高額な家賃でも払える富裕層、準富裕層が好むエリアですから、高額でも物件を欲しい人がたくさんいます。もちろん不動産は有限ですから、そこに希少価値が生まれるわけです。

結果、物件価格は上がり、相対的に利回りが下がっていきます。

一方、地方の一棟アパートで利回りが10%を超えるような物件は、立地、築年数、賃貸需要など、条件が悪いため買い手がつきにくい物件がほとんど。

買い手がつかない物件は、物件価格を下げざるを得ないですから、結果として利回りが上がっていきます。

つまり、人気物件は利回りは低く、不人気物件は利回りが高くなります。

ちなみに、ここで言う利回りはすべて「表面利回り」です。いくら表面利回りが高くても満室経営できなければ、その数値はなんの意味もありません。

一棟アパートの適正な利回りはどれくらい?

では、一棟アパートの適正な利回りはどのくらいでしょうか。

目安は、一棟アパートでキャッシュフローが出るか、だと考えています。

想定条件

  • 物件価格:1億円
  • 戸数:12室
  • 平均家賃:5.5万円
  • 金利:2.5%
  • 借入期間:35年
  • 固定資産税:70万円/年
  • 管理費+修繕積立:賃料の20%

頭金で物件価格の1割を入れ、残りをローンで賄った場合でシミュレーションしていきます。

しんさん

実際には頭金で2~3割を求められることが多いです。

利回り8%の場合

  • 年間家賃収入:800万円
  • 支出合計:580万円(税70万+返済350万+管理修繕160万)
  • 年間キャッシュフロー:約220万円
  • 月間キャッシュフロー:約18万円

4室空室で赤字。平均10〜11室稼働なら十分黒字。

利回り7%の場合

  • 年間家賃収入:700万円
  • 支出合計:560万円
  • 年間キャッシュフロー:約160万円
  • 月間キャッシュフロー:約13万円

3室空室で赤字。こちらも10〜11室稼働で安定。とはいえ4月などは3室空室が出る可能性も

利回り6%の場合

  • 年間家賃収入:600万円
  • 支出合計:540万円
  • 年間キャッシュフロー:約60万円
  • 月間キャッシュフロー:約5万円

→ 1室空室でトントン、2室空室で赤字。満室稼働でないとキャッシュフローが出ない

利回りは7~8%が望ましい

上記のシミュレーションは頭金1割で計算したため、実際はもう少し余裕を持ったキャッシュフローにはなるでしょう。利回りが7~8%ほどあれば余裕を持った賃貸経営ができます。

逆に9~10%を超えるような物件の場合は、また別のリスクが出てくるため、概ね7~8%台の利回りが目安になってくるのではないでしょうか。

しんさん

もちろん利回りが適正範囲に入ってるから100%安心ではありません。物件それぞれ事情が違いますから、個別に見ていく必要はあります。

利回りが高い=手放しづらい

利回りの高さは「出口戦略の難しさ」に直結します。

  • 高利回り物件は銀行融資が付きづらい
  • 次の買い手が限られ、値下げしないと売れない
  • 結果、自分が“最後の持ち主”になる可能性が高い

キャッシュフローで回っていても、売却できなければ資金が回収できません。まして物件の設備が壊れればオーナー負担で直さないといけませんしね。

高利回りに惹かれる心理

人間は数字の大きさに引きずられやすいものです。
「12%」「15%」といった派手な利回り表示を見ると、宝くじのような期待をしてしまいます。

しかし、不動産投資は短期勝負ではなく長期戦。精神的にも、毎月安定してキャッシュフローを得られるほうが健全です。

高利回りすぎる物件は“それ相応のリスクを内包している”ことを肝に銘じましょう。

まとめ

  • 高利回りはリスクの裏返しであり、安い理由が必ず存在する。
  • 実務的には 表面利回り7〜8%が安定運営の目安
  • 投資判断は利回りではなく、キャッシュフローと出口戦略を軸にすべき。

数字の大きさに飛びつくのではなく、「なぜこの利回りなのか?」を冷静に考えること。それが、不動産投資で長く勝ち続けるための第一歩です。

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